山田さんち
ウチが一番。寝る・食べる・くつろぐ・遊ぶを一つの部屋で済ませたいインドア派のご夫婦のためのワンルーム住宅。周りは住宅密集地。狭小敷地のローコストという条件を最大限楽しんでいます。
仕事が休みの日でも家で過ごしたいご主人と、以前 雑貨屋さんで働いていたこともある部屋を飾りたい奥様の二人でくらす家です。採光や眺望、風通し、プライバシーの確保など条件の難しい狭小敷地ですが 「長く家に居ても心地よい」そんな空間を求められました。また、愛車のアルファロメオを納めるガレージやスタジオのようなキッチンも外せない要件でした。
計画地がジャムズのある川越市なので近いというのもあったでしょう。雑誌やホームページで過去の作品を見てシンプルな木造の架構が気に入ったのと私たち2人のキャラクターで決めた....とおっしゃっていました。
建て主のライフスタイルを考えると部屋数を増やすことより居心地よい大きな空間を確保することの方が自然に思えました。要望であった車庫を1階に確保し、残りの部分には寝室と納戸、水廻りを配しています。2階はロフトを含めた大きなワンルーム空間です。コンセプト上 建物は木を仕上げとした部分と 白い壁の部分にエリアを分け、木の部分は上下導線と収納を集約、残った大空間を白い壁の開放的な共用部としました。木の部分の床はメッシュ状になっていて トップライトの明りを1階の玄関まで落とす光井戸の役割を兼ねます。また、玄関ホールから2階へ上る壁面はすべて壁面収納となっていますが、ローコスト化を実現するために扉を設けませんでした。これは持ち物にこだわりがありディスプレイしたい希望を持つこの建て主に合った減額案といえます。人が変われば減額案も変わる。「家とはこうだ」という一般的な固定観念に囚われては価格も一般的な金額から落ちません。長い時間を掛けた 建て主とのコミュニケーションによって生まれた住宅です。
「前から住んでいたみたいにしっくりくる。」と言われました。それは良いということでしょうか?とたずねたら「凄く良いということです。」と返答いただきました。じっくり時間を掛けて人柄や暮らし方を家に反映した結果でしょうか。工事中何度も現場を見てもらったからでしょうか。デザインをした方としては「変わり映えしない」と言われているような気が....
道路側のファサード
ガレージ横の玄関/玄関上部はトップライトになっていて、暗くなりがちな1階に光を落します。
玄関ホール/床は土間となっており壁面はすべて壁面収納。ディスプレイとして使われる。またガレージ面は大きな開口部となっており愛車を眺める。
メッシュの床/歩行感を良くするためメッシュの上に透明のパネルを敷いている。
1.5層の天井の高いワンルーム空間。ご主人の希望でロフトで寝起きするプランです。1階の寝室は来客用。
ご主人はレコードのコレクター。この辺りの棚にはたくさんのレコードが並べられます。
夕景